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【小説感想】空の器になに注ぐ?

 

空の器になに注ぐ? (百合小説)

空の器になに注ぐ? (百合小説)

 

 

 

基本的に漫画ばっかり読んでいて、小説は殆ど読まない自分。昔はラノベをそこそこ読んでたけど、大学卒業したあたりからそれも読まなくなった。

やっぱり一冊読むのに時間がかかってしまうっていうのが一番の理由。読書スピードも速くないから途中で積んでしまうこともそこそこあったり。

 

百合漫画にハマってからは当然漫画ばっかり集めて読んでたんだけど、ある日プライムリーディングに“百合小説”って表記のこの小説を見つけて気になったので無料だし読んでみることにした。百合小説っていうとマリみてくらいしか知らないし、そもそも“百合小説”ってしっかりとジャンルとして存在するんだーという興味もあった。後から考えるとそりゃあるだろうって話なんだけど、如何せん狭い世界で生きているから無知すぎる。

 

で、読んだ結果、百合小説にもハマってしまいました。

物語が一人称視点で進むからすごく読みやすかった。

小説って基本的に一人称視点か三人称視点で分かれてると思うんだけど、三人称視点ってどうも文章全体が説明くさくなってるように感じて苦手。

一人称視点だと語り手が今何を思って何を見てるかよくわかるし、読んでいくうちにその人物に愛着もわくからこっちのほうが好み。

 

まぁ自分の好みの問題はどうでもいいとして、小説の感想を。

 

(簡単なあらすじ)

朝比奈陽菜(あさひなひな)は優等生。しかし、優等生であり続けようとする日々に虚無感を覚えていた。

ある日、クラスメイトの支倉綿穂(はせくらわたほ)と出会う。彼女は前髪で顔を隠し、いつも一人で過ごしている日陰者だったが、その耳にピアスの穴がいくつも空いているのを見てしまう。その性格とのギャップに興味を抱いた陽菜は、綿穂に深く関わっていく。

優等生であろうとしている自分とは真逆に位置している綿穂と過ごしているうちに、空っぽだった自分の心に何かが満たされていくのを感じていた。

 

 

百合小説とは書いてあるものの、読んでみると恋愛というよりは友情の物語だった。

いやもうこれ大好物。友情以上恋愛未満の百合(と言っていいのか疑問だが)大好き。

綿穂はすごくネガティブなんだけど、陽菜に対しては正直でありたい、友達でありたい、っていう気持ちが読んでてすごく伝わってきた。

最後に綿穂が陽菜に想いをぶつけるシーンで、あぁ読んでよかったわ……ってなった。

一日で一気に読み終わってしまったくらい入り込めるいい物語だった。

最初に読んだ百合小説がこれでよかったと思える。

 

作者は綾加奈先生という方。

他にも百合小説をたくさん書いていらっしゃる。

他の作品も読んでて今4作品目かな。他の作品の感想も忘れないうちに……。

とても読みやすい文章なのですごくおすすめ。