【漫画紹介・レビュー】欠けた月とドーナッツ 全4巻
【オススメ度】 ★★★
【舞台設定・ジャンル】 社会人、少し年の差。恋愛漫画。
【百合度】 友情寄りの恋愛
【オススメポイント】 心情表現が丁寧。読んでるこちらも「普通」と「好き」について一緒になって悩んでしまう。
「普通」が解らない女性と、「好き」が解らない女性が惹かれ合う社会人百合漫画。
オススメポイントにも書いたが、「普通」と「好き」について常に考えさせられる。
自分たちは日頃何気なく「普通はこうだ」「それが普通だ」などと言ったり思ったりしているが、それは自分にとっての「普通」であり、他人にとっては「普通」ではないかもしれない。
世の中に確かにある「普通」は、ルールや法律などの社会の秩序を守るために存在しているものだけなのかもしれない。
それほど曖昧なものなのに、人の心を「普通」と言う言葉で区別してしまうことがどうしてできるだろうか。ましてや「好き」という感情なら尚更だ。
思春期の少女たちとは違う、精神的に成熟しているであろう大人の女性たちが、相手の一挙手一投足に喜び時には落胆し少しずつ距離を縮めていき、「普通」と「好き」に向き合っていく様がとても丁寧に描かれていた。
4巻で終わってしまって寂しいが、彼女たちのその後を描くのはきっと野暮なのだろうと思う。
4巻のカバー裏は是非読み終わってから最後に見て欲しい。