【小説感想】アナタコンプレックス
今回も綾加奈先生の百合小説。
不良ってほどでもないが、優秀な三人の姉にコンプレックスを持つせいで少し荒んだ感じの月野五喜(つきのいつき)。
容姿端麗、文武両道、誰から見ても完璧な榊星華(さかきせいか)。
二人それぞれの視点で同じ期間をなぞっていく。最初は五喜視点で次に星華視点。
とにかく五喜が星華の行動を悪い方に捉えていくから、最初の五喜視点で読んでいるほうも星華に振り回される。
でも星華視点が始まると、実はこの時はこう考えていましたとか、こういう意味で行動しましたとかがわかっていって、一気に答え合わせをしているような感じで読んでいて止まらなくなった。
ザッピングっていうのかな?頻繁に視点が変わってく形式。そういう形は確かに常に物語が動いている感じで面白いんだけど、答え合わせが早すぎるかもなとも思う。
この作品は一人の視点が全部終わってから次の一人の視点を最後までなぞっていくから後半になるにつれてより物語にめり込んでいけて、書き方がすごくうまいなと思った。
すれ違いまくったけど、最後はハッピーエンドって物語だったから読了感もよかった。
空の器に~とは違ってしっかり恋愛してるから王道な百合小説としておすすめ。