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【漫画感想】熱帯魚は雪に焦がれる 8巻

 

 最初は百合漫画を求めて買ってみたこの作品。

買ったときの帯には「百合」という表記はなく、「ガールズシップストーリー」とあった。読んでみてその意味が理解できた。

小夏ちゃんと先輩の関係は「友達」とか「部活の先輩後輩」とか「親友」とかとも違っていて。じゃあやっぱり「百合」なのかっていうとそれも多分違うのかなぁと自分は思う。

 

8巻の表紙を見た瞬間、7巻の小夏ちゃんはこの2人に手を伸ばしていたんだなぁと。

 

この作品の魅力は、小夏ちゃんと先輩の話を中心にしつつも、それぞれの家族との話も丁寧に描いている点にあると思う。

7巻は特に家族の話が中心で、1回目読んだ時は普通に読めたんだけど、8巻を読む前に読み返してみたら涙が止まらなかった。

 

8巻は小夏ちゃんと先輩の話が中心に戻りつつ、楓ちゃんのことを掘り下げていってる。

今まで暗い雰囲気でも明るく振る舞って二人を見守ってくれていた楓ちゃんにも当然「寂しい」という気持ちはあって、それがしっかり描かれたことで、あぁこの物語も終わりが近いんだな……と。

 

一人でも寂しさを感じずに強く生きていける人はたくさんいるのだろう。

でもこの物語の登場人物はみんな寂しがり屋で一人では生きていけない。

この物語の「寂しい」にどういった結末が描かれるのか、次の最終巻が楽しみでありつつ終わることに寂しさを感じている。